アケ ノ トリ

雪に朱の鳥
円形の空を横切る
地に着いた膝に冷たさ
僕は思い出す
僕の鼓動を
涙を伝った跡が冷たくて
泣いていた事に気付く

何が悲しくて泣いていたんだろう
虚空を見つめている僕を観察する
僕は卑小で情けなくて狂人のよう

ああ、僕は僕を憂って泣いている
ああ、僕は僕のために泣いている

朱の鳥が円形の空から舞い降りて
泣いている僕の方に止まった
そして僕を見つめる
まるで僕のような目で