セカイジュ

廻り続けている
世界樹の幹を触りながら
もう幾度の夜を捨てただろう
もう幾つの朝を拾い上げた?
彼方にまで続く幹に手を携えて
歩いて来る筈の貴方を探しながら

皮膚に刻むような誓いに
限りなく近い
幹に彫り付けた二組の記号

眠り続けている
世界樹の幹に身を預けて
もう幾つの死を拾い上げた?
もう幾つの命を捨てたのだろう
彼方にまで続く幹に手を携えて
歩いてくる筈の貴方を待ち焦がれながら

皮膚に刻みつける痛みに
限りなく近い
幹に倒れた心の悲鳴

ああ世界を支えるトネリコよ
あの人はまだ歩き続けていますか
ああ世界の全てのトネリコよ
千を越える輪廻の果てでも
私達をあの記号の下へと誘って
ああ世界を統べるトネリコよ

また夜が来る
また死が訪れる