アオ ノ ナカ ノ カイコウ

僕らの世界が正常に
そして清浄に巡っていたなら
こんな感傷を知るのなんて
きっとずっと先だった
夜の青は小さな頃部屋を抜け出したあの頃のまま
少しだけ変化した町並みのところどころに僕らの痕跡
知らない顔ばかりの今だけど
ここは確かに僕らの場所だった
世界が大きくなっていくに連れ
盲点になっていった原風景
やっと見い出せた
やっと思い出せた
僕の原点はやっぱりここだった
袋小路に並ぶ家々
辻小路から臨んだ時
知らぬ間に抑えていた涙
ここに残った君が幻のように思えて
触れて確かめたい衝動を抑えながら
現在が一日の境界にそっと分けてくれた過去の残滓を抱き締める
徐々に消えいく
徐々に戻りいく
過去から現在への旅路を歩みながら
開いた掌に残った本当に小さな思い出の風景を
迫り来る現在へと投げかけて
薄れていく夜とともに僕も去ろう
この場所を原点とした新たな過去を作る為に