イタミ ノ アル フウケイ

凍った指先に掴んだ刀と
静寂に酔う風流
足元揺れる鋭い草
刹那の時を待ち侘びる蒼月
濃淡薄い紫に切り抜かれた影
一と六
感覚の無い指に染み渡る神経の奔流
生気の失せた瞳に綺羅
瞬きと同時に伝令は疾走する
枯れ木から一片
揺揺と木の葉
絶命の音は鈍く響きは薄い
更に二つ
舞い踊る刃は鞘へと還り
そして地へと降る
一つ
星が流れた
遠く
狼の遠吠え
近く
鶫の羽音