テンクウ

今日もまた見上げた空
雲は滞り無く
陽は威風堂々と

目を閉じて眠る準備
聞こえてくる
徐々に大きくなる悩みの足音
耳を塞ぎ心の中に響く叫び声
真綿のような宵の口

目を開き闇を見詰め
振り払う白昼の悪夢
窓の外に見える天空は月灯り

今日もまた見上げた空
村雲に下弦
靄の向こうに星がいる

瞬時の覚悟で開く瞼
霞掛かった思考に
一日分の言い訳をして
目を醒ましていく心の中に警鐘
真綿のような明の口

足を速め心押さえ
振り切れない不安抱え
窓の外に見える天空に厚い雲

今日もまた見上げた空
灰色に水滴
苛まれる激しい雨

明日を信じ明日を嫌い
矛盾の中過ぎる日々
窓の外に見える天空に太陽

今日もまた見上げた空
雲は滞り無く
陽は威風堂々と