ヘンゲン ノ ヨル

変幻の夜に霞む携帯電話
望んだ筈のこの夜に
後悔と幾ばくかの理性
振り切れないまま
半端な覚悟の身を投じる
雛罌粟が咲く平原に
己を際立たせる蒲公英を目指して
浮遊感は嫌悪感を
嫌悪感は罪悪感を齎し
ただ揺れよ
円形の花園よ
外界に何も残さぬように
ただ咲き乱れよ
変幻の夜に
今ある全てを消し去るほどに
幾千億年ぶりのこの夜を愛でよ