シエン ヲ ハク キカイニンギョウ

唾の海を歩く
濁った瞳の怠惰な監視の下
三千世界に弾かれた彼らを見下す事すら鬱陶しく感じ
唯現在に捕らわれ続ける哀れな紫煙を吐く機械人形は定型句を垂れ流す
井の中の蛙の如し
本能に命じられるままに野獣の如く子を作り
欲望に命じられるままに野獣も殺さぬ子を殺す
機械人形は血塗られた勲章を誇らしげに胸に飾る
殺した分身の数だけ
末法か
審判か
黄昏か
それとも瞬間の無か
何れにせよ現在に捕われた魂に未来など有るはずも無い
黒を封じ込めた金色に暮れ行く士を感じ取り
諦めに似た心地で街を歩いている