サカナタチ ノ ニチジョウ

魚の目に囲まれる
夕刻の鉄道
見えない地上に不安を感じ
終着駅が黄泉では無いかと時刻表
命が満帆に詰め込まれたそれに
生物のような錯覚
意識を喰われたように眠る人が
僕にもたれかかって来る
君も喰われろと
安息のまま帰るべき地を忘れよと
流れ行く窓の映像は静止画の群れ
動きを感知できるものはない
ゆらゆらゆらゆら
揺らめく男の奇妙な笑み
ゆらゆらゆらゆら
揺らめく女の能の面
魚達は今日も平穏に
魚達は今日も転生す
魚達の何も知らない内に