モドレナイ ヒ

暗闇に浮かぶ光
戻れない街を思い
幼い日に見えた景色
二度とは見えない

鞄の中 本の群
帰りの列車 人の群
何とはなしにみる景色
灯りの群れに見とれている

遠くなっていた雑音に気がついて
不意に戻された現実に目を伏せた

生きていく これは義務で
権利だとは思えないまま
幼い日より小さくなった
夕陽を見ている