廃墟 錆び付いた旋盤 足元にボルト
廃墟 破れた天板 覗く月
手を伸ばしても 届かない掌を歪んだ視界で捕らえ
地面に寝転がり動かない月見つめ 幼い夢が蘇る
不意にぞっとする銃身の冷たさ
廃墟 静けさの楽団 澄ます耳
廃墟 懺悔の聖堂 月灯り
ヘッドフォンごしのように世界から離れ 眠る覚悟
ここで終わるならここで死ねるなら 幸せかな
不意にぞっとする銃声の反響
無罪だとされても僕の罪は深い
意識がまどろんていく
廃れ朽ちることが人の定めだから
体に穴が空いて 倒れ込む瞳が捉えた下弦の月
背中に刺さるボルト 青白い光に包まれ 僕が消えていく
不意にぞっとする銃声の静寂
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