アメイロ ノ ツキ

飴色の月を探して
雪間の氷の道を一人歩く
冷気は容赦なく毛皮を凍てつかせ
銀色の世界は見渡す限り
霧を纏い姿を現した
屈んだ神の膝元まで

夢化粧の風景
静物画のようで
あなたを思い出すから

冷たい星の下に懐かしい顔が見えるから
かじかむ足をさすり進む事が出来るんだ
傷など無いように感じる
微かな絆の愛しさに
歪んだ今も許せるから

飴色に輝く月が導く道を歩み
少しだけでもいいと
あなたに近付いているのならば

暖かないつかの幻想が消えぬ間に
神の姿に怯えぬように

狂った人々が犯した罪の愚かさよ
幾つの涙の上に産まれた覚悟の正しさよ
あなたは笑ったのに
何故僕は泣いているのだろう
あなたを失ったあの日の飴色の月に
歪んだ未来を糺せるのなら