トウ ノ ウエ ノ オウゴン

あの天に聳える月の塔
その巨大な事よ
天を支えるアトラスの巨人にすら届かぬ遥かな高み
神に近付かんとしたバベルの愚かな塔すらも
その最上の石片に昇ろうとも
指先さえ触れる事の出来ぬ偉大な黄金よ
ただいつまでもそこにいてはくれないか
ただその永遠なる回転運動に疲れずにいてくれないか
アキレスが永遠に追い抜けぬ亀のように
先を走る火球を追い続け
私が築いたほんのささいな想い出と
青白い世界が見せる清々しき切なさを
与え続けてはくれないか