ウミ カゼノマチ

煉瓦を踏む踵
赤天に響いて
喧嘩など壁の向こう
意識は街を観る
赤茶けた屋根並び立ち
古ぼけた人道に座し
彼の目には届かぬ赤よ
せめてもと彼を染め上げて
壊れた喉で歌い上げる
猛き草原の謡
鴎の声に掻き消され
潮風さざれる石に指をかけ
ああ海原 今君になりたいと願う
この異国を見守る君に
世界よりもこの場所を選んだ君に