ヒライタ クモマ ニ ニチリン ハ

古き野辺に霞草
土の中骸を隠して
育つ華よ今一度
その命を失うやもしれぬに

滅びの夜に霞む雲
心の中思いを隠して
戦う人よ今一度
その命に輝きを求めて

兜の緒を締め馬に笑う
共に逝こうこの世の果てまで

降りしきる雨の粒
血が混じり
怒号の中目の前の悪鬼を斬る
屍を踏み越えて
死線を越えて
紫の瞳に輝きは無く
友の屍に両手を合わせ

無念を前に進み行く
心の中思いを消して
思いの人よ今再び
この命に意味を与えよ

兜を脱ぎ捨て一人笑う
もはや二度とはまみえぬ故に

降りしきる槍襖
涙は涸れて
刃の向こうひたすらに駆け抜ける
友の屍を盾に
この体を刃に
開いた雲間に日輪は無く
伸ばした両手は空を切る