ガンエイ

十八方を睨み付ける鬼瓦
その切っ先に雁の影
月を背に受け切り抜いた
誇り高く立つ鳥に啼く

戦禍に焼かれた魂と
能面の奥に隠した激情と
着流しを風に預け
凡庸の鞘から刀を抜いて

命とは使う為にあるのだと
心とは進む為にあるのだと
誇り高き武人として