ムゲン ノ サクラ

古木に寄り添い煙管一服
風が靡かす髪と袖
閉じた瞳は風を聞き
開いた瞳は櫻時雨に奪われる
この幹は幾人の温かさを知っているのか
仄かに残る先人の
欠片を探す背中越し
輪廻の風に含まれる
薫香これは香木の
櫻の薫りと混じりあい
桃源郷をまほろばに生む
このままずっと
現世夢幻に染めるまで
現世夢想に果てるまで
現世夢塵に溶けるまで