シニタイナラ

死にたいならこっちにおいで
昔の話を聞かせてあげる
月に憧れて空を目指したお姫様
雪の純潔に焦がれた少年
病んだ国の為に薬を探した吟遊詩人
滅びはいつもそばにあって
寝返りをうてば寄り添うほどに
だから安心して
君はいつでも死ねるんだ
明日でも明後日でも
十年後でも大丈夫
お姫様も少年も詩人もみんな
死んじゃったけど
夢を目指して死んじゃったけど
笑って死んだと聞いている