ハンイン

その城は白亜
夢想の無双の要塞
未知なる敵はそう
命を剣に構え
渦巻く感情は憎悪

心拍数変化
世界は輝き
地は揺れ動く
雄々しく咲け
明日を作る幾多の子

秘めたる覚悟の差
それが齎す己の死
また天に嘶きを突き刺す
畏れは命の足枷
辺りに立ち込める呪詛

消え去る命は数多
それぞれに魂を放ち
空と色の袂を分かつ
その先はまだ見えぬとて
この地よりは遥かに良いと

千里に響く彼の名
その名声は地も震える程に
いつしか彼はこの地を去りぬ
響き渡る黄金の鐘
彼が埋まるは荒れ野

頚元に当てられた刃
辺りを照らす命の火
高く掲げた大斧
咆哮はただ遠くへ
振り下ろす腕がする確保

時の程なら逢魔
朱に染め上がる文
解せる事など皆無
後悔の果てに臍を噛め
その命の果てたるも

絡み合う綾
意味を失う説諭
ああ世界の果てよ

人々が争いを求めるから
憎しみの花は蔓延り
そして世界はいつしか終わる
その時全ての愚かさを知れ
涙で海すら満たしてみせろ

そしてまた生まれいく輪
次は静かな静かな世界を

ああ今世界は無