コワレタ ボク ト キミ

キミが壊れた夜
ボクもボクを壊したんだ
如月の薄明かり
惚けたキミの貌を舐め
キミの皮をゆるりと剥いていく
その桃色を指先で包んで
応えなどない問いかけを囁いて

虚ろ 何も見ないのに開いた瞳
弛緩 触れる度に哀しみを生んで
鼓動 断続的な悲鳴の増幅

口に感じた死の味が壊れたキミの全て
何かを呟きそうな唇
物欲しげに見えて
見つめ合った瞳にボクの姿などなく
キミはもう遙か彼方
キミの残滓を愛でるボク
キミの分身を身体への餞として
ボクももうすぐ形だけを残して