ハナ ガ ウタウ トムライノ ウタ

百合の咲く荒野を歩く
君の胸元にも小さな百合のつぼみ
この華が咲いた時に私は死ぬの
華を持たない僕はバラに呑まれたビルを見た

深く深く根を張るような
君が僕の華ならよかった
君を抱きしめた暖かさ
僕の胸が感じた華の鼓動

華が壊した世界で生き残った僕らは
華が唄う弔いの歌を聞きながら滅んでいく

沈丁花が揺れるベッドで眠る
女郎花は今にも僕の腕に根を張ろうとして
この華を受け入れて君と死ぬか
華を持たない僕は君に抱き締められて泣いた

強く強く根を張っていく
アスファルトすら打ち砕き
その身を天に届けようと
人が犯した塔の罪を繰り返すように

華が壊した世界で死んでいく僕らは
華が唄う弔いの歌を聞きながら
華を壊した世界が残した罪の全てを
華に贖罪の唄を歌いながら滅んでいく