イセキ ノ ガカ

在りし日の絵を描く
苔むした床 飛躍の東をただ求め
松明に身を晒して
輝きはただ皮膚を焼き
闇の中に命を見る
遥か過去の記憶を

炎の中に死を感じて
炎の外の我が身が
生きていると確かな鼓動
囁きの動脈
幻の静脈
巡り還り昇る

声尽きても誰の耳にも無く
時忘れど久遠に似て
絵筆は踊り闇を暴いて
巡り戻るいつかへ

切り絵の空に影絵の鳥が
草叢の影の玉虫と
冷たい風に立って崇める
永久に起きぬ街を