ツキ ガ ソレヲ カナシム カラ

銀星の畔を出
揺れる船に乗り渡る
命が幾度巡ろうと
不可思議 いつも見た景色
月が湖面で笑うから
ボクはそれを彩ろうと
伸ばした指先水を切り
波紋をボクの身を飲み干したんだ

悲しくない悲しくない
胸が苦しいよ
余りに綺麗な場所だから

凍える月泣く夜に
世界を揺らしてしまうから
戸惑う魚たちに
揺るがぬ大地の口づけを
未来は閉ざされていても
ボクらは笑っていられるよ
歪んだ大地の疵に
呑まれた獣の痕跡に

屈んで見つけた
花を摘んだ