ケズラレタ ヤマ ニテ

十六方に吹き荒ぶ風に
黄金の翼を見るように
万畳に敷き詰められた丘の蒼に
白銀の石庭を思うように
この木枯らしの山に立ち
灰滅の寂寥に身を寄せる
心を締め付ける感情は切なさを伴い
形を持つかの如く重い
足に触れる薄の穂先
どこまでも静謐な憧憬
風は山精の吐息に似て
首元を掠め身を震わせる
空は白を落とし込んだ青
熱狂も情熱もない
そんな熱気とは最も遠い