リンネボシ

断崖に咲く花
幾許の健気な霊魂
凍る街で叫ぶように咲き誇る
人の世など無かったかのよう
御霊を変える賢者の仕草に
似せては揺らす蔓の舞
輪廻転生は菜花の業とし
魂魄を巡らす千年樹
獣を育む樹海の先人
星を癒す常緑の医師団
断崖の花はそこに在るだけ
凍りし時を見守るだけ
番人のように

大地が割れる
苦しみ身を捩る
星が今
その身を震わせ
星が今
その見に蔓延る
不要な全てを埋葬する
山が割れ
燃える鮮血で地を焦がし
山が割れ
傲れる命に飛礫を振らせ
星が今
霊魂の気流を産んで
星が今
加速していく回転で
剥ぎ取っていく
天空の彼方へと
再び注ぐ事のないように