キョウ ノ ユメマボロシ

鴉の守る千万の
門を通りて異界に入る
御胸に抱かれた常木の杜に
目覚めたような今日の夢

常世と分かつ三本の
脚が届けた古き空
囲まれ残るいにしえに
出会ったような今日の夢

憂いを帯びた眼差しが
貫く心の底の底
足をそろえて御前に座り
心を問うてる今日の夢

この場集いし幾千の
異形の神の変幻自在
黄金に輝く肢体眩しく
浮き世を越えた今日の夢

日暮れの静謐 無言の美
結界巡らす古き国
石段踏みしめ昔日の
記憶を巡る今日の夢