ウミ ノ カナタへ

名前を呼んで
知らなくても
キミの望む
その名でいいから
手を伸ばすから
ゆっくりつかんで
キミの望む刹那に決めて
痺れて固まり金縛り
それでもいつでも
手は伸ばしたままだから
たとえ骨身が朽ち果てて
そこに何も見えなくても
きっとこの手はそこにある
名無しのわたしのこの手は消えない
ずっとずっとキミのため
伸ばしたままで待っているから
キミに声が聞こえなくても
キミから私が見えなくても
キミがわたしの名を詠い
わたしのこの手を望んだら
きっと触れ合うひとつの指先
そしてわたしはあなたのために
つかんだその手を離さない
たとえこの身が焼き尽くされて
たとえこの身が溶かされ流れ
わたしの意思だけそこにある
それでも私はあなたの手を取り
さぁ旅立ちましょう
海の彼方へ