バンカン ノ オモイ

壊したいものなんて何もない
壊れたがってるものを壊してきただけ
延命治療で長らえた
屍肉のような高説に
溶けろ溶けろ溶けろと
話しかける小さな仕事

いつかは終わると知っていた
いつかは溢れると分かってた

だから分け合いたい分け合いたい
この心の隅々までも
筆に乗せて万巻の書を書くよ
声に乗せて万民の耳に説くよ
受け取り継いで残して欲しい
この大陸の果てるまで

作りたいものなら山のよう
作って壊してまた作る
絢爛豪華な夢の京
屍肉の上に打ち立てて
物見遊山で闊歩する
融通無碍の小さな仕事

いつかは果てる命なら
いつかな潰える国ならば

それでも夢を見たい夢を語りたい
この人生を残さずに
詩歌に乗せて万緑の美を謳い
舞に乗せて万里の地を思い
宴の終わりに響いたままに
この大陸の果てるまま