こんにちはと笑うその人には目がなかった
なんだのっぺらぼうかと気にもせず
川辺を歩くと河童に出会う
いや河太郎
いや兵主部
とにかく頭に皿で緑のヌルリとしたの
そいつがハッケヨイと四股を踏む
めんどうくさくてゆるりと脇をすり抜ける
しばらく行くとショキショキショキ
近付く程にショキショキショキ
やあ小豆洗いめ頑張ってるな
一声かけよと歩き出して頭を打つ
見上げた先には大入道
どけと言ったが何しろ耳が遠い
手近の以津真伝捕まえて
ほらそら飛べとけしかける
あっという間に妖鳥は
見上げ入道顔へと迫り
いつまで
いつまで
繰り返す
やっと気付いた大入道
山を一跨ぎして道を譲る
小豆洗いの音は消え
いつしか闇が訪れる
さあ百鬼夜行
京の都の結界越えて
羅城門も誘ってみよう
今日は御所に遊びに行こう
朧車の乗り心地は愉快哉
嗚呼愉快哉